販売店と学校のプログラミングについて話をしてきた
本日は、販売店の方と学校におけるプログラミング教育についてお話をしてきました。
販売店というのは、以前紹介した地元業者のポジンションの会社です。
学校においてプログラミング教育を行うには、まだまだハードルが高い、というのが私と販売店の方の感想です。
それでは、内容を掘り下げてみましょう。
どのような教材がある?
プログラミングについて学校からの問い合わせで多いのは、
・どんな教材があるの?
・他の学校はどんなことしているの?
の2つです。
私が地方自治体や教育委員会で営業を行う際も、プログラミングについては同様の話を受けます。
来年度から施行される学習指導要領にプログラミングを授業で行うこと、と銘記されているものの結局何からしたらいいのか?学校現場も困惑しているようです。
従って、様子見の学校や教育委員会が大半をしめているのでしょう。
もしもあなたの商品やサービスがプログラミングの場合には、他の学校ではこんなことを行っていますよ、という事例をもって営業をしましょう。
すぐに契約に結びつくことはないかもしれませんが、学校や教育委員会が求めているものが事例であるため、この営業さんはちゃんとした情報を持ってきてくれる人だ、という信頼感や安心感を教育委員会の担当者に持ってもらうことができるでしょう。
学校でのプログラミングは3種類
販売店の方いわく、学校からのプログラミングに関する問い合わせ自体は増えているので、いろいろな種類の商品を揃えておきたい、と言っていました。
学校の先生や教育委員会から話をされたときに、こういった教材があります、こんなタイプのもあるんですよ、という話ができるからですね。
持ち玉はたくさんあるにこしたことはない、というのが販売店の方の考えでした。
では、実際にどういったタイプの商品があるのでしょうか?
パソコンを使わないアンプラグド
学校では、これまでの記事でもお話しているように、授業で使用できるパソコンの環境を整えることが大変です。
ネット環境がない、準備に時間がかかる、そもそも先生がパソコンを使えないなど、ハードルがたくさんあります。
そんな中で、プログラミングを実施するのは大変な苦労であると予想されます。
そのため、プログラミングの導入としておもちゃや書籍を利用したアンプラグドの教材が存在します。
販売店の方も、このようにパソコンを使わずすぐに始めることができる教材もありますのでいかがですか?と学校や教育委員会に紹介するようです。
しかし、文部科学省もはっきりと、アンプラグドのみではプログラミング教育にはならない、と話をしています。
※参考記事
アンプラグド「だけ」ではプログラミング教育をやったことにならない――授業はどう進めるべきか?【平井聡一郎氏インタビュー】 (1/2):EdTechZine(エドテックジン)
従って、販売店の方もアンプラグドの教材を導入として利用いただき、レベルの上がった教材を学校や教育委員会に紹介するそうです。
ロボットを動かす
パソコンの画面を操作して、ロボットを動かすプログラミングの教材が多くあります。
パソコンの操作画面は、ブロックを組み合わせることで子どもたちが直感的に操作をせきるブロックプログラミングという手法が多いです。
学校や教育委員会にとって、このような教材を導入するのにネックになるのが金額と台数です。
実際のロボットが必要になるのでどうしても金額が高くなってしまいます。
1台2万円ほどだとしても、1クラス分用意するには60万円~80万円ほどかかってしまいます。
学校はもちろん、教育委員会でもこの金額を用意するのはなかなか大変なのです。
パソコン内で完結
以前も紹介したスクラッチのように、パソコンの画面内でキャラクターを動かす教材が、最も使用されているでしょう。
販売店の方も、スクラッチを使用している学校が多いとおっしゃっていました。
このような3つの教材が学校現場向けのプログラミング教材として存在します。
学校や授業を行う先生方の希望や理解度に合わせて営業をおこないましょう。
課題の多い学校でのプログラミング
さきほど、金額を学校でのプログラミングの課題の1つとしてあげました。
その他の課題としては時間と授業案があります。
プログラミング教材の中には、そのメーカー主催の教室や塾で指導を行うために開発され、それを学校にも販売している、というものが実は多くあります。
塾の授業時間は、塾が独自に設定することができます。
塾で行われる多くのプログラミング講座は、1コマ90分ほどを想定しています。
しかし、小学校の授業は45分、中学校は50分が1コマです。
どうしても、90分を前提に作られた教材では授業が成立しないのです。
また、学校でのプログラミングは、国語や算数のようにプログラミングという時間ができるわけではなく、今までの授業内でプログラミングを取り入れよう、という方針です。
先生方は今までと同様の内容を教えながら、追加でプログラミングを行わないといけないのです。
しかし、現在のプログラミングの教材は既存の教科に馴染むものは少ないです。
学校の授業ですぐに活用できるよう指導案を提供している教材もありますが、だいたいは図形を書いてみよう、分数を表そうなど、算数に寄っている印象です。
これでは、他の科目でプログラミングを導入するのは難しいですね。
学校の先生はただでさえ忙しいのです。普段の授業でこう使えますよ、という提案のできる教材や営業が求められるでしょう。
以上が、本日私が販売店の方とお話した学校におけるプログラミングの話です。
前途多難ではありますが、一方で以前の記事でも紹介したように、プログラミングに前向きで取り組みを始めている教育委員会や学校も多いです。
今後もプログラミングについては何度かご紹介していきます!
生徒のためになるプログラミングの授業が実現されるといいですね。