教育委員会の先生に怒られた話
本日は、いくつか神奈川県内の地方自治体にある教育委員会に営業してきました。
そこで、とある町の教育委員会の先生に
怒り
を、ぶつけられましたので、そのお話をしようと思います。
タブレットを導入したけれど
そこの地方自治体は、2年ほど前に、合計で20台、タブレットを導入したようです。
各校に4台程度配置したと、教育委員会の担当の方はおっしゃっていました。
教育委員会の担当の方は、今年の4月に担当となったばかり。
もともとは現場の先生であったこともあり、せっかく担当になったのだから、タブレットの活用を促進しようとはりきっていました。
しかし、各学校を訪問しその現場に唖然とします。
それはなぜか?
タブレットだけしかないのです。
無線LANもなければ、教材などのソフトもないため、授業で使用できる環境が整っていませんでした。
それでも、タブレットとして、写真を撮ったり、パワーポイントでプレゼンを行なったりはできるのではないか?と考える方もいるでしょう。
しかし、それに必要なマウスやキーボードといった附属品もありませんでした。
パソコンとしての使用もできないです。
本当に、タブレットという箱だけを高いお金をかけて導入したことになります。
このように、タブレットを導入したはいいけれど使われていない教育委員会や学校が、全国でも多くあります。
使えて初めて導入
学校にタブレットを導入するには、先生や生徒が実際にどのようにして活用するのか、場面を考えましょう。
タブレットを導入することは目的ではないはずです。
考え方の順番としては、子どもたちの学びをよくしたり、授業をよくしたいという目的のためにタブレットを活用しよう、という考え方のはずです。
タブレットの導入は手段です。
学校での利用シーンが考えられている場合には、タブレット以外に必要なものがわかるはずです。
教室で利用したいのであれば無線LANが必要、パソコンとしても使うからキーボードやマウスもあったほうがいいな、
タブレットと一緒に揃えるべきものが見えてきます。
学校にタブレットを導入する際は、目的を明確にし、そこから逆算して必要な付属品を揃えていきましょう。
ちなみに、どうタブレットを使ってるんですか?と教育委員会の方に聞いてみました。
すると、
学校でホコリをかぶっている。先生はタブレットがあることすら知らないのではないか。
と、回答がきました。
先生も教育委員会も大変
それでも、現場の学校の先生から、教育委員会に質問やクレームがくるそうです。
どうやって使うのか?といった質問はもちろん、
なんで使えないんだよ!という意見もあるそうです。
新任だし知らないよ、と正直思っている。
こう話した教育委員会の先生は少し悲しそうでした。
先生、タブレット嫌いですか? と、私は思わず聞いてしまいました。
嫌いですね。
国はまたタブレットの1人1台を目標と言っていますが、現実をみてほしいですね。
整備できる地方自治体や教育委員会も少ないし、何を用意すればいいかわからない。
目標を作るのであれば、補助金よりもこれを使えというブツがほしい。
と、教育委員会の先生は答えました。
このように、タブレットを導入したはいいけれど、使用できていない学校は多いです。
それぞれの担当がそれぞれのやるべきことを行なった結果であるため、誰が悪いとも言えないのです。
教育委員会の担当者は、タブレットの導入という国の目標のためにタブレットを探し、
メーカーの営業は自社の商品のみを売るために説明に奔走する。
それぞれが、それぞれに個別化されすぎたバラバラなゴールに向けて走った結果、
学校が、先生が、子どもたちが、使用することのできないタブレット
というものが産まれてしまうのです。
いかがでしょうか?
この教育委員会の先生のように、やる気があり、理想が高い学校や先生ほど、辛い思いをしているような気がします。
各メーカーの方は、自分たちの商品だけが売れればいいという営業ではなく、
・子どもたちや先生がどう使うことができるか
・そのためには必要なものは何か
たとえ自社のものではなくても、アドバイスのできるような営業を、
パートナーとなれるような営業になることが求められていることでしょう。
ちなみに私は、この教育委員会の方と、実験校となる学校を決め、2学期から実証実験を始めることになりました。
たまたま私の会社の商品が、オフラインでも使用できるからですが、
寄り添って、話を聞いたからこそ、任せてみようと思ってもらえたと考えています。
また、各学校での事例をかき集め、これと同じ方法なら使えるかも、と使い方まで提案したことが、よかったのではないでしょうか。
是非、営業の方は教育委員会や現場の先生、学校の話を聞いてあげてください。
怒ってる時は怖かったですけどね!