教育委員会に営業をする人のブログ

地方自治体や学校に営業活動をしています。地方自治体への営業の仕組みや、教育業界について書いていきます。

プログラミングが小学生の授業で必修になる理由

プログラミングが小学生の授業で必修になる理由01

来年度から小学校でプログラミングが授業で行われるようになります。

新しくプログラミングという授業が行われるのではなく、算数や理科といった既存の科目の中でプログラミングが行われるのです。

 

この記事では、

なぜ小学校でプログラミングが行われるのか?

どんな授業が行われるのか?

について説明します!

 

ちなみに筆者は現在、新卒から大手教育系企業に勤めて4年になるため教育業界や学校への知識は豊富です。学校や教育委員会へ営業を行う部署に配属され、静岡県を中心に営業活動をしています。商材は今流行りのタブレットで学習するソフトです。そのため、学校におけるICT環境の整備(1人1台のタブレットなど)についても知見があります。月に10~20件ほど学校の関係者との商談や飛び込み営業を行っていますので、参考になるかと思います!

 

  

プログラミングが必修になる理由

プログラミングが小学生の授業で必修になる理由02

考える力を身に着けさせる

小学校でプログラミングが必修となる理由は、論理的思考力・問題解決力を小学生に身に着けさせることです。プログラミングという言葉からイメージする、パソコンでコードを書いていくという授業は行いません。ちなみに、学習指導要領には、

自分が意図する一連の活動を実現するために、どのような動きの組合わせが必要であり、一つ一つの動きに対応した記号をどのように組み合わせたらいいのか、記号の組合わせをどのように改善していけば、より意図した活動に近づくのか、ということを論理的に考えていく力

とあります。

 

これからの子どもたちが社会に出ると、今までのように解決策のある仕事に取り組むことのほうが少ないのです。どう行ったらいいかわからない、何から手をつけたらいのかわからない、そういった課題に対して、目的やゴールを設定してどのような順番で取り組んでいけばいいのか考えることができるようになることがプログラミング教育の目的なのです!

 

試行錯誤し正解へたどり着く力

ここで注意が必要なのですが、プログラミングのテストのための勉強。。。のように、正解を出すことがプログラミング教育の目的ではありません。新しいことに挑戦するには失敗はつきものです。

ああでもない、こうでもないと、いろいろな方法を考え、試行錯誤していく中で、正解にたどり着くのです。このたどり着く力を、プログラミング教育では重視しています。

ここはこうやるんだよ?などと正解を教えて、できたー!と喜ぶのは今までの教育から脱却できていない証拠になります。

 

元文部科学副大臣であり、プログラミング教育に尽力されている鈴木 寛(すずき・かん)氏は、この試行錯誤をしながら正解にたどり着く力のことをデバッグ主義とし、推進しています。

 

世界経済が目まぐるしく変動し、計画を立てるための前提が次々と変わるためです。

いつまでもPlan-Plan-Plan-Plan-……と計画ばかり立てるはめになります。だから極めて重要なビジネスチャンスを逃し、避けるべきリスクを避けられない。これこそが日本企業の陥っている苦境の根本ではないかと考えています。

ある程度の見通しが立ったらすぐにやってみる。作りながらバグを直して少しずつ完成に近づけていく。そういうサイクルです。デバッグ主義と言い換えてもいいでしょう。

 

と、鈴木氏は言います。

このような今までとはことなる物事の考え方を身に着けさせるためにも、小学生のうちからプログラミング教育が行われるのです。

※参考

coeteco.jp

 

学校ではどんな授業をするの?

そんなプログラミング教育、具体的には学校でどんな授業が行われるのでしょうか?

文部科学省は未来の学びコンソーシアムというサイトで授業案を公開しています。

 

学校で行われるプログラミングの授業は、ソフトを使用したもの、ブロックやロボットを使用したもの、デジタル機器は使用しないもの、という3つの種類があります。

 

小学校の授業は、Scratch(スクラッチ)というソフトを使用して行われることが多いです。

アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)のメディアラボが開発したプログラミング学習用ソフトです。様々な命令のできるブロックを組み合わせて、画面内のキャラクターを動かしていきます

無料で使用できる点、多くの実践事例がある点から、学校現場で広く活用されています。

ご家庭でも実施できるため、授業が本格化する前に一度サイト見てみることをおすすめします!

 

次に、ブロックやロボットを使用するプログラミングがあります。パソコンで命令を作成し、ブロックやロボットを動かしていくタイプのプログラミングです。

最も有名なものはレゴを使用したプログラミングでしょう。マインドストームというレゴ社製のロボットが有名です。

 

多くの学校で、レゴを使用したプログラミングが行われています。

ロボットを組み立てるところから、自分で命令を考えるなど自分でオリジナルなことを考える場面が多くなるため、想像力を育む授業に向いています。

 

最後に、機器などを使用しないタイプのプログラミングがあります。このようなプログラミングをアンプラグドといいます。

  • 命令通りに体を動かしてみる
  • 朝起きてから歯を磨くまでの流れを紙に書いて他の人が同じようにできるかやってみる

といった内容のものがあります。

 

実際に、朝起きてから歯を磨くまでの流れを紙に書いて他の人が同じようにできるかやってみるということを行ってみると、難しさがわかります

自分では当たり前の行動であるために、書き出すことを忘れている行動が多いものです。しかし、何かが抜けていると相手は同じ行動をすることができないのです。

 

プログラミングは、指示通りに物事を動かすことができますが、指示以上のことはまったく行われません。

これくらいのことは言わなくてもやってくれるだろう、ということはプログラミングの世界では通用しないのです。

そのような練習を、機器を使用しないアンプラグドの授業で体験することができます。

 

家でできるプログラミング教育

プログラミングが小学生の授業で必修になる理由03

そんなプログラミング教育ですが、学校で実施されるまでにご家庭でできることにはなにがあるのでしょうか?

 

本で学ぶ

Scratch(スクラッチ)や小学生に人気のマインクラフトなど、家でもできるプログラミングの教材はたくさんあります。しかし、ただサイトにアクセスするだけでは、操作方法がわからないものです。

まずは書籍を買ってみて、そのとおりにプログラミングをやってみることをおすすめします。保護者の方にとっても、無料のソフトは何者かわからない、という不安があるかと思います。

書籍の解説があれば、安心して取り組むこともできますよね? 

アンプラグドの教材を使う

購入してすぐに始めることができる、という意味ではアンプラグドの教材を使用するのがおすすめです。

はじめてのプログラミングカーという商品は、パソコンやタブレットは使わずにプログラミングを学ぶことができます。

 

この教材は、電池で動くロボットに命令を与えていきます。また、立川市の小学校でプログラミングカーを使用した授業が行われていますので、初めてプログラミングを学ぶ方にもおすすめな教材です!

 

講座を受けてみる

本やアンプラグドの教材でプログラミングに触れ、楽しい!と思い始めたら、プログラミングの講座や教室に行ってみることもおすすめです。

ほとんんどの講座や教室では、無料体験も実施されているので、試しに行ってみる、ということもできます。

より、学校の授業に近いプログラミングが体験できますよ。

 

 

まとめ

プログラミングが小学生の授業で必修になる理由04

いかがでしたか?

下記の理由から、小学生の授業でプログラミング教育が行われます。

  • 論理的思考力・問題解決力を身につける
  • 試行錯誤をするデバッグ主義を身につける
  • コードを書くことが目的ではない

まずは、試しにプログラミングに触れてみる、のがいいかもしれませんね!