学校への飛び込み営業を成功させる方法
あなたが、文教市場(学校や教育委員会)で働く方であるならば、営業活動がとても難しい!まったくサービスが売れない!という経験を一度はしたことがあるのではないでしょうか?
学校にどうやって営業に行けばいいのかわからない、飛び込み営業をしてもいいのだろうか?
なかなか学校の先生と会えないけれど、もしも学校に対しての営業の正攻法やコツがあるのなら知りたい!
と、日々思っていることでしょう。
この記事では、
学校に営業を行う際のステップ
学校に商品を売るコツ
をお伝えします。
ちなみに筆者は現在、新卒から大手教育系企業に勤めて4年になるため教育業界や学校への知識は豊富です。学校や教育委員会へ営業を行う部署に配属され、静岡県を中心に営業活動をしています。商材は今流行りのタブレットで学習するソフトです。そのため、学校におけるICT環境の整備(1人1台のタブレットなど)についても知見があります。月に10~20件ほど学校の関係者との商談や飛び込み営業を行っています。また、教育実習も行ったため先生側の視点にたったこともあります。
結論としては、
学校への飛び込み営業は止めたほうがいい
ですが、学校を管轄している教育委員会には飛び込み営業ができます。
学校へ営業をするための手順
学校に対して、商品やサービスを売るためには、とるべきステップが存在します。
しっかりと順番を守ることで、学校にもしっかりと営業ができるようになるのです。
教育委員会へ行き、許可をもらう
学校に営業活動をしようと思った場合には、まず市区町村の教育委員会へ行きましょう。
公立の小中学校は、教育委員会が管轄しています。商品購入のための予算や教育方針などは全て教育委員会が決めているため、学校に突然営業に行っても相手にされないのです。
私も静岡県を中心に数多くの教育委員会へ営業活動を行っています。教育委員会を通して、商品やサービスの説明会を行う学校を紹介していただいたり、本番の購入の前のお試しとして教材の実証実験(テスト導入)を行う学校を決めたりしています。
直接学校に行って試しに使ってみてください!と頼んだとしても、まず学校の先生は教材やサービスを試しません。
授業はもちろん、書類作成や保護者対応、放課後には部活動の指導など日々の業務で学校の先生はとても忙しいのです。そこにどこの誰だかわからない営業が訪ねてきてお願いをしたところで、聞かなくてはいけない理由が学校の先生にはないのです。
しかし、これが教育委員会のお願いであればどうでしょう?
自分たち学校を管理する、いわば上司のような存在でもある教育委員会からのお願いであれば、しぶしぶだとしても聞いてくれる可能性が高くなるでしょう。
また、実際に学校の先生からあなたのこの電話は教育委員会の許可を得ているんですか?と言われたこともあります。
それくらい学校の先生にとって、教育委員会の存在は大きいため、まず、教育委員会へ営業を行い味方になってもらうようにしましょう。
出入りしている地元の販売店にいく
教育委員会への営業の次には、地元業者(出入りしている販売店)を訪ねてみましょう。紙の教材から文房具などを販売している事務系の会社や、パソコン教室や教室にあるモニターや無線LANなどの機械の保守を担当している業者に営業をするようにしましょう。
学校や地方公共団体が物品を購入する場合には、指定の業者からでないと予算が承認されないケースが多いです。また、購入できる場合であっても、業者登録などめんどうな手続きが発生することもあります。
そのため、地元でない会社の営業が急に営業したとしても、学校は買いたくても買えないという事態が起こったりします。
地元の販売店であれば、よく学校や教育委員会にも出入りをしているため学校と顔見知りなのです。そんな業者からのオススメの商品であれば、試してみようかなと学校の先生もおもってくれるでしょう。また、すでに地業者登録などの手続きを済ませている場合がほとんどです。
従って、学校との距離の近さからも、手続きの簡略化のためにも、地元の販売店に商品を降ろしてから、学校に商品やサービスを購入していただくことになるのです。
地元の販売店については、下記の記事でも解説をしていますので、併せてお読みいただければと思います。
アポをとってから学校を訪問しよう
さて、教育委員会や地元の販売店などまわりの関係する方々に営業活動を行ってきました。実はこの2つを押さえることで、学校に商品を売ることができます。
意思決定をするところ(教育委員会)と販売をするところ(地元業者)が味方になってくれれば、学校への直接の営業活動をしなくても商品は売れることになります。
ですので、無理をして学校を訪問する必要がなくなったのです。
しかし、時には学校で商品やサービスの説明をすることや、先生と直接お話をする必要もでてくるでしょう。学校での設置作業などもあるかもしれません。
そんな時には必ず、アポイントを取ってから学校を訪れるようにしてください。
理由は簡単で、学校にやたらに素性の知らない人間を入れることはできないからです。
学校は子どもたちの命を預かっている場所です。不審者が入ってくるようなことはあってはなりません。しかし、飛び込み営業で学校を訪れた営業マンは、学校からしたらいきなり来た不審な人物です。
そうならないためにも、かならずアポイントをとってから学校を訪問するようにしましょう。
そして学校を訪れたら、必ず受付を通ってください。多くの学校では受付で所属企業と名前を記入することで、来校証をくださいます。営業で学校にいる間は来校証を身につけるようにしてください。
教育委員会への飛び込み営業
学校への飛び込み営業は原則、止めたほうがいいです。
しかし、まず押さえるべき教育委員会に関しては最初はどうしても飛び込み営業になることが多いです。
ですので、学校向けの商品やサービスの営業担当は
学校への飛び込み営業はやらなくてよいが教育委員会への飛び込み営業は避けて通れない
ということになります。
市役所での飛び込み営業は禁止されていない
教育委員会がある市役所や町役場などへ飛び込みで営業を行うことは禁止されていません。意外にも、同じ学校へ営業を行う方でも、飛び込み営業が禁止されていると思っている方が多いです。
市役所や町役場にある教育委員会の学校教育課や指導課という名前の部署が、小中学校を管轄している部署になりますので、まずはそちらを訪ねてみましょう。
市役所や町役場は、住民に対して開かれた場所です。もしかすると、転校の手続きをしにきた保護者の方や、学校の先生が訪ねてくることがあります。
顔の知らない誰かが訪ねてくる可能性が高い場所であるため、市役所や町役場へ飛び込み営業は可能なのです。
私が飛び込みで教育委員会に営業をする場合は、教材担当の指導主事とお話をするようにしています。
教育委員会の役職については、下記の記事も参考にしてください。
急な訪問であるため、長時間話すことはできません。
役場のカウンターのような場所で、5分ほど立ち話をして終了です。
短い時間で端的に質問をしていかなくてはいけません。また、一度で営業を完結させることは不可能なので、次回訪問のための宿題を見つけることに終始しましょう。
例えば「タブレットを学校に導入したけど、使われていないようで。。。」と担当の方が仰った場合には、「次回、他の学校での活用事例を紹介しますね!」というように、どんな小さなことでもいいので次につながる宿題をみつけてください。
営業を行う時期に注意
教育委員会へ営業を行う場合には、時期に注意しましょう。特に5・6月に営業を行うのが狙い目です。
地方自治体は、一年間の予算、スケジュールを予め組んで動いています。年度の途中で何かを購入することはなかなかありません。
従って、予算を決定する時期に営業へ行き、来年度に商品を購入してもらえるように営業活動をしましょう。
また、3・4月は新年度の準備でバタバタのため、教育委員会には飛び込み営業を相手にする余裕がありません。
9月と2・3月には議会が行われるため、市役所全体が忙しいタイミングになります。
この時期に飛び込み営業をしても、担当者が不在か、余裕がないために厳しいことばで断られる可能性が高くなります。
5・6月がなぜ、狙い目なのかというと、
それぞれの部署の担当者が来年度予算の計画を立て始める時期だからです。
この時期に、様々な業者から見積もりをもらうことで、商品や値段の比較検討を行います。
そしてスムーズにことがすすめば、9月の議会でその予算が仮決定となります。
来年度予算の話をする際に、議論の土俵に上がるためにも、5・6月に営業活動を積極的に行い、見積もりを提出するようにしましょう。
私がこの記事を書いているのが、9月なのですが、
いくつかの自治体で春に出してもらった見積もりが通るか通らないかの議会を行っているから、連絡を待っていてくださいと言われています。
飛び込み営業はそもそも断られると思って行おう
さて、ここまで教育委員会への飛び込み営業の話をしてきましたが、それでも実際に飛び込み営業をするのは難しいはずです。その最大のハードルは断られたらどうしよう。。。という営業自身のメンタルに起因するものなのではないでしょうか?
そんな時には私は、営業の話はせず、担当の名前だけ聞いて帰るということをしています。
そもそも最初から売る気満々の営業トークを聞いてくれる人はいません。営業トークなど聞きたくない教育委員会の方に営業トークをするから、断られたり、怒られたりするのです。
であれば、始めは営業トークなどしなければいいのです。
私は、その教育委員会に対する最初の飛び込み営業の時には、担当の方のお名前を伺うことをゴールにしています。
教材の担当はどなたですか?これくらいであれば答えてくれることも多いですし、実際に話す時間が短くてすみます。
担当の方のお名前がわかれば、ゆっくりと文言を考えてから会社に戻って電話でアポをとることができます。しかも、一度飛び込み営業を行っているので「以前お伺いした○○です!」という、前、会ってますよね?的なフレーズを使うことができまるのです!
飛び込み営業の際には、教材の話はせず、担当の方の名前だけ聞いてさっさと帰ってしまいましょう。
また、私は話す時間に余裕がある場合には、授業の話をします。
私が営業をしているタブレット教材については、現状、使い方は学校に丸投げされているため、うまく活用できている学校と活用できていない学校に分かれてしまっています。
タブレットってどうやって使っていますか?という質問に対して、使っているのであれば活用方法のお話をしてくださいます。使っていない場合でも「使ってなくてさぁ、、、」と愚痴をこぼしてれることがあります。
また、教育委員会、特に指導主事の方はもともと現場の先生である方が多いため、授業の話をすることは好きなのです。
ひとしきり、授業の話をしていただいた後に、自分の商品やサービスの話をしましょう。飛び込み営業であったとしても、授業の話のおかげで話しやすい雰囲気になっています。
その授業であるならばうちのサービスってこう使えると思うのですがいかがでしょうか?
と切り出してみましょう。
まとめ
いかがでしたか?
下記のことを意識・実践することで学校へのサービスや商品の営業活動が今までよりも円滑になることでしょう!
- 教育委員会→地元業者の順番で営業をする
- 学校にはアポをとってから訪問する
- 教育委員会のある市役所に飛び込み営業をしても問題ない
- 営業の時期は5・6月がオススメ!
- そもそも飛び込み営業で商談は成立しないので、担当の名前だけ聞いて帰る
- 余裕があったら授業の話をする
皆さん明日からぜひ、実践してみてください!
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