学校の先生が受けるプログラミング教育の研修
数回の記事にわたり、小学校の先生の英語研修のお話をしてきました。
先日、今度は学校の先生方が集まるプログラミング教育の研修に出席しましたので、
そのお話をします。
初めはアンプラグド
講師1人に対し、学校の先生方25名という人数で、その研修はスタートしました。講師は、文部科学省の狙いやプログラミング教育の事例、プログラミング的思考とは?というお話をされています。
先生方は、難しい言葉の羅列に眉をひそめているようでした。
そんな時「まずはパソコンを使わずにプログラミングを体験しましょう」という講師の一言。
学校の先生方もどうやるんだ?という様子でした。
講師 が、先生方に紙とペンを配布します。
「歯磨きの順序を書いてみましょう、隣の人とお話しながらでも構いません。よーいドン!」
先生方が、一斉に書き始めます。
書き始めてみると難しいようで、至るところで相談が起こっています。
「どの歯から磨く?」「何回動かす?」「あれ、歯ブラシってどう持つ?」
と、様々な疑問が先生たちの中で浮かんできました。
講師の方は「身近なことをロボットにやらせるつもりになって、紙に書いてみましょう。これがプログラミングの考え方の入り口になります」とおっしゃっていました。
たしかに、紙とペンさえあればできますし、題材は身近なものでよいので、簡単に初められますね。
初めからパソコンと向き合うと、どう授業を行っていいかわからない先生が多いようです。そんなときに、パソコンを使わないアンプラグドという手法を用いるのも1つだと講師は言います。
このような、プログラミングを勉強できるおもちゃも出ていますので、まずはアンプラグドからはじめるのもよいかもしれませんね。
スクラッチに挑戦
次に先生方はスクラッチを使って正三角形を書く課題に挑戦しました。
スクラッチとは、ブロックを用いてプログラミングが行える、ビジュアルプログラミングのソフトの1つです。なんと無料で使用できます。
たくさんの授業で行うプログラミング教育の事例がスクラッチにて紹介されています。講師の方いわく、2019年1月にスクラッチのバージョンが3.0になったそうです。
多くの地方自治体や文部科学省が示しているスクラッチの授業案はその前のバージョン2.1のものだそうです。
画面のデザインなど少し違うことがあるそうなので、注意が必要ですね。
さて、講師の方はスクラッチを使ってドローンを飛ばしていました。
このような外部のデバイスともスクラッチは連携できるそうです。
もはや、スクラッチはプログラミング教育におけるプラットフォームと言えるでしょう。
私たちのような教材を作る会社は、スクラッチに変わるものでなく、スクラッチを利用して学校や授業のためになる教材、を生み出していく必要があると感じました。
おぉ!という先生の声
先生方は、スクラッチを使ってドローンを飛ばしたり、画像解析を行う課題に取り組んでいました。
印象的であったのが、50歳を超える白髪の先生が、初めは
「もう自分には画面の文字が見えないからなぁ」と言っていました。
しかし、課題をやりはじめると、
「音が出たぞ!」「おぉ!動いた!すごい!」
と、その場の先生の誰よりも楽しそうにしていました。
プログラミングは、間違えながら学んでいくもの。その試行錯誤に価値がある、ということを講師も言っていましたが、この先生はそれを身を以て体験したわけですね。
文部科学省もこのうようなデバッグ主義を学校に取り入れたいという旨を言っています。
これからの学校は、先生も生徒も、試行錯誤を繰り返しながら、「おぉ!」「できた!」という声が溢れる場所になっていくのでしょうね。