教育委員会に営業をする人のブログ

地方自治体や学校に営業活動をしています。地方自治体への営業の仕組みや、教育業界について書いていきます。

学校のタブレット、みなし1人1台?

小中学校で、1人1台のタブレットを使って授業を行う?

何年か前から噂されていますが、なかなか全国での実施には至っていません。

そんな中、様々な方法で授業中に子どもたちがタブレットを使用できる環境

を作ろうと、学校現場は頑張っています。

 

そんな、タブレットを1人1台使うための学校の工夫を、本日は紹介します。

これをしっておくことで、

営業の際に現場に即したICT機器のお話ができるようになります。

 

 

みなし1人1台とは?

学校のタブレット、みなし1人1台?

教育委員会に営業に行き、既にタブレットを導入していたとします。

そこで聞いてみてください。

台数はどれくらいですか?

タブレットの導入=1人1台ではありません。

 

タブレットを導入している学校であったとしても、

1人1台を実現している学校は少ないです。

金銭面をはじめ、保管場所も問題になってきます。

 

そこで、多くの自治体が採用しているのがみなし1人1台

という考え方です。

 

文部科学省が掲げる目標

文部科学省は、2022年までに3クラスに1クラス分程度のタブレット

を整備することを目標にしています。

www.mext.go.jp

いまいちピンとこない言い回しですが、

これは学校内でうまくやりとりすれば1人1台のタブレットでの授業ができる台数

ということです。

 

これを実現するために、各学校の

パソコン教室のパソコンがタブレットに変わっていっている

のです。

 

パソコン教室はもともと、クラス全員が同時にパソコンの勉強をできる

だけの台数があります。

これはみなし1人1台といえる台数です。

そこで、パソコン教室のデスクトップパソコンを

キーボードを着脱式のタブレットに変更することで、

文科省の掲げる目標を達成しようとしています。

 

BYODとは?

学校のタブレット、みなし1人1台?

BYODとは Bring Your Own Device の略です。

すなわち、自分の持っている端末を学校に持ってきて使用しよう

という考えのことを言います。

 

生徒全員が自身のタブレットを持ってくるので、

1人1台の環境が達成されることになります。

特に高等学校では多くの生徒がスマートフォンを所持しているため、

BYODを実施している学校もあります。

www.kknews.co.jp

 

小中学校では難しい?

しかし、小中学校ではBYODは難しいようです。

特に公立の学校では公平性を保つことが困難になります。

タブレットにも沢山の種類があります。

当然、最新のものと古い機種では性能に差が生じます。

 

公立の学校で、自分の機器を持ってきてください、ということにすると

生徒によってタブレットの性能がバラバラになってしまい、

授業の公平性を担保できなくなるのです。

またそもそも、タブレットやスマートフォンを持っていない子ども

も存在するでしょう。

 

このような理由からBYODを実施する公立の小中学校は少ないです。

私も営業をする中でまだ出会ったことはありません。

 

BYODの良い点

学校のタブレット、みなし1人1台?

問題点も多いBYODですが、良い点にも触れておきましょう。

1つ目はコストの削減です。

タブレットの費用は各家庭が負担することになるため、

教育委員会からするとコストの削減に繋がります。

 

2つ目は家庭学習との連携が行いやすくなることです。

BYODで使用するタブレットは、子どもが普段、家で使用しているタブレットです。

それを学校では学習のために使用します。

学校で使用したタブレットに宿題を配信し、

そのまま家に持ち帰ることもあるでしょう。

このように、BYODであれば紙の宿題を出す感覚でタブレットを使用した宿題

を出すことができます。

 

1人1台でやりたい授業?

学校のタブレット、みなし1人1台?

さて、みなし1人1台やBYODという考えを用いて

各学校は文科省の示す

2022年までに3クラスに1クラス分程度のタブレットを整備

しようとしています。

ここでもう少し、文科省が2022年までに掲げる目標を確認しましょう。

 

生徒のタブレットはもちろん、文科省は目標として

教師に1人1台のタブレット

各教室に大型提示装置(プロジェクターや電子黒板)

を整備することを目標としています。

 

また、文科省がその目標数を示している資料には下のイラストが使われています。

学校のタブレット、みなし1人1台?

http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/micro_detail/__icsFiles/afieldfile/2018/04/12/1402839_1_1.pdf より

 

これはすなわちどういうことでしょうか?

 

タブレットを使用して、

話し合いや意見交換が活発になる授業

を文部科学省は実践したいのです。

つまり、タブレット導入は手段なのです。

タブレットを教材やツールとして活用して、

生徒が自分の意見を示しやすくなる

議論が深まる

など、実現したい授業像があるのです。

 

この実現したい授業像を念頭におくことで、

ただタブレットの台数や導入状況を聞く営業から、

授業の内容まで踏み込める営業にレベルアップできます。

 

まとめ

いかがでしょうか?

学校は1人1台のタブレット環境を実現するために

BYODみなし1人1台など様々な工夫をしています。

その先には、話し合いやグループ学習など

実現したい授業像があるのです。