小学校の先生の英語研修 その①
前回の記事で、学校の先生にとっての研修とは?
というお話をしました。
今回は、先日が私がお手伝いした研修の感想を述べたいと思います。
研修内容は来年度から教科になる小学校英語についてです。
午前中の講師の先生は文部科学省でご活躍されている直山木綿子先生でした。
※小学校の英語に携わるなら絶対に知っておくべきキーマンです。
問題の内容が変わる
次の文を疑問形にしなさい。
このような問題を皆さんは解いてきたのではないでしょうか?
例えば、
You studied English.
を疑問文にする。
もちろん、みなさんわかりますね?
Did you study English?
が正解です。
今まで学校で習った英語の問題は、このように型に沿って回答していくものでした。
しかし、今後の問題は違います。
A:Did you study ( )?
B:Yes. I speak it very well. It's spoken in America.
( )に入る語句はなんでしょう?
というような問題が出題されていくようです。
違いはというと、、、
前後の話を踏まえなければ回答できない問題になっていく。ということだそうです。
いままでの問題は、文法知識がある程度あればなんとかなっていました。
しかし、それでは太刀打ちできない問題に、今後の学校の英語が進化していくのです。
より、社会に出て使える英語のための、学校の英語になりますね。
言語活動とは?
言語活動という言葉を聞いたことがありますか?
小学校英語の世界ではよく出てくる言葉です。
また、中学校、高等学校の学習指導要領にも言語活動という言葉が出てきます。
現行の学習指導要領には、
言語材料についての知識や理解を深める言語活動から、考えや気持ちなどを伝え合う言語活動まで~。
と規定されていました。
来年度から施行される学習指導要領には、
実際に英語を使用して互いの考えや気持ちを伝え合うという言語活動~。
という表記になるそうです。
これはどいうことか?
会話文の暗証などの反復練習は言語活動ではない。
自分の気持ちを伝えようとすることが言語活動だ。
という文科省の考え方の現れだそうです。
反復練習も決して無駄ではありません。しかし、そこで終わっていた今までの学校の英語に満足せずに、一歩踏み出しませんか?
という挑戦が始まるのです。
先生たちが楽しくペアワーク
直山先生の研修では、聞いている学校の先生が隣の人とペアになってワークをよくしています。
いわゆる「隣の人と話し合って」です。
この時間、学校の先生たちはとても楽しそうにペアワークをしていたのです!
当然、直山先生の話術がすごい、ということもありますが、まず自分たちがやってみて、生徒に楽しい授業を届けよう、という学校の先生の気持ちが現れているようでした。
研修の終盤「まずは先生が伝えたいことを伝えましょう。そうすれば子どもも答えてくれるはずです。」と直山先生がおっしゃっていました。
今回の研修に参加された先生の想いは、きっと子どもたちにも届くのではないか、と思いました。
修正は最後でいい
研修に参加された先生から質問がありました。
「正しくない言い方をしていたらどう直してあげたらいいですか?」
学校の先生として、正しいことを教える。とても素晴らしいことだと思います。
直山先生の回答はこうでした。
「まず、英語で話をしたことについて、子どもを褒めてあげてください。英語を話すということだけで、子どもたちにとっては大きな負担です。だからまず褒める。訂正はその後でもいいのではないでしょうか?」
この回答にハッとさせられた学校の先生は多かったでしょう。
こうした成功体験の積み重ねこそが、英語を話せるようになる近道なのかもしれませんね。
感想その②